現在、4話まで終了時で、平均視聴率が15%を超える人気を博しています。
これまで「寝て芸」さんはこの「ラスト・フレンズ」を絶賛してきましたが、今回は問題提起の意味も含めて、ちょっと辛口で再検証してみることに。
Prisoner Of Love
「寝て芸」さんのコメント欄を読んでも、「ラスト・フレンズ」に関しては好意的な意見が圧倒的です。
これまで当ブログも、このドラマに対する感想を素直につづってきたのですが、久しぶりに質の高い作品が出てきたという賛辞の連発でした。
しかし、平均視聴率は15.3%と、今ひとつ伸びてゆきませんね。
こういうシリアスなドラマに、20%近い数字を望むのは無理だという声もありますが、
今回はあえて辛口で「ラスト・フレンズ」を斬ってみることに。そうすることで、何らかの問題提起ができればとも思っているのですが…。
正直、第4話も引き込まれました。1〜2話で暴力シーンを見ているせいもありますが、そうした生々しい場面は必要がないと思えるくらい、すでに確固たるドラマ宇宙ができあがっている感じです。
もう一度復習してみると、この「ラスト・フレンズ」は、
社会問題化しているDV (ドメスティックバイオレンス)やセックスレスなど、現代人が抱えるさまざまな問題を真正面から描き出す、ヒューマン青春群像でしたよね。
これまでも何度か指摘しましたが、ともすれば重くて暗くなりがちな内容なので、見る側ができるかぎり心地よく感じられるような配慮が多々見られます。
第4話でいうならば、長澤まさみと瑛太が仕事しているスタジオは、自然光がいっぱいに入る明るい空間でしたし、オグリン役の山崎樹範が水川あさみの前で泣くシーンも、吹き抜けのレストラン、しかも窓際という明るいシチュエーションでした。
このように、登場人物の心の闇は深いはずのに、映像は白を基調とした明るいシーンが多いのですね。
また、シェアハウスでは、水川あさみがいつも突飛な衣装を身に着けており、山崎樹範との掛け合いでギャグを飛ばすなど、ドラマが息苦しくならないような風穴的シーンも設けています。
制作スタッフは、この「ラスト・フレンズ」を作るにあたって、いつも“重くなりすぎない”、“生々しくなりすぎない”ようにと声を掛け合っているようにさえ感じるほどです。
脚本についても言えます。
今回のシナリオは浅野妙子が担当しています。
木村拓哉と松たか子の共演した「ラブジェネレーション」(1997年)の脚本家。通称「ラブジェネ」は平均視聴率30.7%を記録した大ヒット作に。
最近では、連続テレビ小説「純情きらり」(2006年)なども手がけています。
今回の「ラスフレ」の脚本はいかがでしょうか。
テーマは重いのに、セリフは短く切り詰められて、ほとんど無駄がありません。
というか、DVや性同一性障害などを扱うドラマとしては異例というべきか、バランス感覚重視で、どぎついセリフとかもありません。
役者の演技はというと、特にすばらしいのが上野樹里と瑛太のライン。派手さはありませんが、ヒリヒリするような感覚が伝わってきて、見ごたえ充分です。
少しまとめますと、
物語自体はシリアスですが、表現は洗練されたスタイリッシュな感覚を重視するというのが、このドラマの基本姿勢のようです。
登場人物の薄皮一枚の心理を、どこまで繊細に描けるかというのが、このドラマの追求テーマとも思えます。
しかし、もしこの「ラスト・フレンズ」に欠点があるとしたら、そのソフィスティケイトされすぎたドラマ世界そのものかもしれません。
今の時代、重いテーマを重いままに描けば、視聴者側から、拒絶反応が起きることは容易に想像がつきます。
しかし、逆に、視聴者サイドには、一つのテーマをきっちりと描き切ってほしいという強い要求があることも事実です。
重いテーマを重く描いたドラマの代表作はコレです。
⇒永遠の仔
レンタルなどで見直していただくと、演出方法が「ラスフレ」と正反対なので、興味深いと思われます。
もちろん、「永遠の仔」の方が良いという意味ではありません。
「ラスフレ」は、ひと昔前の傑作ドラマのように、セリフ一つ一つにすごい主張が込められているというわけでもないので、記憶に長く残らないかもしれません。
逆に言うと、制作側は「後味が悪くならないセリフ」を心がけているのでしょうが…。
洗練された完成度を追い求めているうちに、メッセージ性とかが背後に隠れすぎて、視聴者に“ある種の物足りなさ”を感じさせえているとも考えられます。
DVなどの生な題材を、さりげないオシャレ感覚に溶け込ませるというのは容易ではありませんので、そのサジ加減が難しいのでしょう。
私的には、こういうファッション感覚も重視しながら、重いテーマを描き出すという試みを、ぜひ成功させてもらいたいと思っているのですが…。
ともあれ、この「ラスフレ」はまで序盤が終わったばかり。今後どんな展開が待っているか、とにかく最終回まで見逃せないドラマであることは間違いありませんね。
【追記】
第5話の視聴率は19.9%でした。
【「ラスト・フレンズ」に関する過去記事】
衝撃キス!上野樹里と長澤まさみが「ラスト・フレンズ」で
錦戸亮の“DV男”に賛否両論!「ラスト・フレンズ」で
長澤まさみ人気が回復か!「ラスト・フレンズ」の熱演で
※この記事は「寝て芸」さんの許可を得て転載しています。
